PROJECT
プロジェクト紹介
分譲マンション
シーンズ京都賀茂川
京都の自然と文化を生かし、
町並みに調和する邸宅を
かたちにする。
京都市北部を流れる賀茂川から一歩引いて、
北山通り沿いに佇む「シーンズ京都賀茂川」。
伝統とモダンデザインを融合させた、
まさに「人生に感動する一邸」と呼ぶにふさわしい
この分譲マンションの開発に、入社1年目の新人が挑む。
MEMBER

技術推進
岩崎 日菜子
Hinako Iwasaki
開発技術部
2022年入社
工学部 建築学科卒
「シーンズ」ブランドへの想いが、
存分に盛り込まれた物件計画。
大阪ガス都市開発が展開する分譲マンション「シーンズ」は、立地や商品企画にこだわり抜くことにより、「人生に感動する一邸を。」のコンセプトを体現するブランドだ。地域性を深く理解したうえで、「洗練」「調和」「個性」をテーマに細部に至るまで丁寧にデザインし、その地域にあるべき建築を目指す。Daigasグループの強みを生かし、省エネ・創エネによる環境配慮や防災に力を入れている点もその特徴だ。それをかたちにした物件の一つとして計画された「シーンズ京都賀茂川」のサブ担当に就くことになったのが、入社1年目の岩崎だった。

「先輩が建物の基本計画から実施設計まで担当しており、それをかたちにしていく過程から参加しました。計画・設計にあたっては、洛北エリアの自然豊かで落ち着いた環境や北山通の街並みを読み解き、街に溶け込む外観とすることを重視しています。具体的には、ガラス手摺に北山通の風景を反射させるファサードデザインとするとともに、賀茂川の流れ、飛び石、林立する北山杉といったモチーフをエントランスにあしらいました。加えて屋上にはテラスを設け、五山の送り火を望む特別な一邸となっています。専有部については、落ち着いた独立性のある住戸プランを採用しました。玄関はすべてクランクイン仕様(折れ曲がった廊下とすることで、玄関の正面に壁を配置する手法)、バルコニーは全戸独立とすることで、プライバシー性を最大限高める構造となっています」(岩崎)


見積確認から着工、そして主担当としての独り立ち。
岩崎が本プロジェクトに携わり始めたときには、すでに建物の仕様・詳細を定める実施設計がほぼ完了しており、それをもとに施工会社各社に工事費の見積をとる段階だった。まず岩崎は初めて目にする工事見積書の分厚さと、そこに記された工種・工程の多さに驚かされた。
「大学で建築を学んでいたものの、それがまるで役に立たないレベルのプロの世界にふれた印象でした。私は主担当を務める先輩のもとで、仕様の整理や見積書の精査などを行っていたのですが、そのなかでもわからないことが多々出てくるので、都度先輩に教わりながら無我夢中で進めていました」(岩崎)

精査した情報をもとに、建物の仕様と販売価格のバランスを見ながら見積金額の調整を行ったのち、プロジェクトは着工へと歩を進めた。工事が始まると、岩崎は建設現場に対して大阪ガス都市開発側の窓口役を務めることとなった。現場からの日々の工事報告や業務連絡などを受け、それを社内で共有したり、現場定例会議に出席して進捗を確認したりと、毎日忙しく立ち回りながら、現場との関係性構築や知識習得に努めた。そんな岩崎に突然、大きな転機がやってきた。先輩の異動に伴い、本プロジェクトの主担当を任されることになったのだ。
「ちょうど入社2年目を迎えた4月でした。いきなりの独り立ちで不安でいっぱいでしたが、現場のメンバーとは数カ月間一緒にやってきて関係性もできていましたし、何より皆さんとても良い方々ばかりだったので、いろいろとフォローしていただきながら進めていくことができました」(岩崎)

こだわりを実現するものづくりの楽しさ。
主担当になってから、岩崎はこだわりを実現するものづくりの楽しさを体感することになる。原則、工事は設計通りに進めていくが、設計図書には記載されていない細部の検討箇所や、実際に現場でものづくりを行うなかで気づいた箇所については、岩崎が設計事務所や施工会社と意見交換しながら調整・決定していった。
「例えば専有部では、スイッチやコンセントの位置にいたるまで、お客さまの使い勝手を想像しながら検討を行いました。また共用部のタイルの割付けや取り合い、天井に設置する設備の配置計画など、細かい箇所へも配慮をおこたらず、建物全体が美しく見える工夫を施しています。さらにエントランスの景石については、物件名にもある賀茂川の飛び石を思い起こさせ、洛北エリアらしさを表現する大切な要素として、議論を重ねながら選定していきました。設計事務所さんも施工会社さんも、それぞれの責務があります。もちろん当社としても、商品企画段階から想いをもって取り組んできたこだわりが設計のなかに詰まっているので、何とかそれを最後まで良いかたちで実現したいという気持ちがありました。関係者でひざを突き合わせて、こうしたい、ああしたいと話し合いながらつくっていく過程がとても楽しく感じられました」(岩崎)


同時に、立ち回りの難しさも感じていた。建設現場は、知識と経験が豊富な社外のプロフェッショナルたちが力を発揮する、いわば技術の世界だ。そうした社外関係者に対して、知識も経験も乏しい自分がデベロッパーの技術者として指示を出さなければならない。その困難を乗り越えるために岩崎が大切にしたものが「誠意」だった。
「上からでも下からでもなく、ともにより良いものをつくっていくチームの仲間として、厳しい内容であっても言うべきことはっきりと伝え、また分からないことは素直に教えを請い、人間関係における基本的なことを意識するようにしました」(岩崎)
販売や現場見学会にも工夫を重ね、迎えた竣工の日。
分譲マンションでは、建物の工事と同時並行で、お客さまへの各住戸の販売を開始する。岩崎は、販売推進の部署と連携しながら、お客さまに物件の魅力を伝える販売ツールの監修にも取りかかった。
「お客さまにとっての物件の魅力は、デザインや間取りだけではありません。シーンズ京都賀茂川では、防災面や環境面への配慮にもこだわりがつまっています。防災面では、共用部に防災備蓄倉庫を導入するほか、停電時にもガスを利用して発電することができる家庭用燃料電池『エネファーム(typeS)』を全住戸に標準採用しました。環境面では、エネファームや太陽光パネルなどによる『創エネ』に加え、建物の断熱性能を高く設定するとともにエネルギー効率の高い設備を複数導入することで『省エネ』にも貢献しています。その結果、環境認証として、京都市の分譲マンションでは初となるZEH-M Readyを取得することができました。住む上での安心感だけでなく、分譲マンション購入時の税・金利面でのメリットといった点でも、お客さまに物件の魅力を感じていただけたのではないかと思います」(岩崎)
そうして工事と販売が進んでゆき、現場見学会が近づいてきた。現場見学会とは、マンションを購入いただいたお客さまを工事途中の建設現場に招き、竣工後は目にすることのできない箇所をご確認いただくことで、安心安全・高品質のものづくりをしっかりお伝えする、大阪ガス都市開発ならではの催しだ。ところが京都では行政の指導が厳しく、関係者以外の建設現場への立ち入りが制限されていることから、お客さまを招くことができないという制約があった。

「そこで、シーンズ京都賀茂川については、あらかじめ現場で動画を撮影し、それを編集してお客さまにご覧いただくという方法をとりました。現場にお客さまを招くと、その間は工事をストップしないといけないのですが、この方法だとその必要はありません。お客さまには臨場感をもって現場の様子をお伝えでき、施工会社さんには工程負荷をかけずに済む、まさに一石二鳥の方法です。実際、開催後にとったアンケートでは、お客さまから高い満足度を得ることができました」(岩崎)
現場見学会を終え、いよいよ迎えた竣工の日。完成した建物を前に、岩崎は奮闘したこの一年数カ月を思い返しながら、大きな達成感を覚えた。

細部への丁寧なこだわりが評価され、
グッドデザイン賞を受賞。
通常の技術推進物件であれば、引き渡しとともに業務は終息するが、シーンズ京都賀茂川についてはそこで終わらなかった。秀逸な出来栄えであったことから、グッドデザイン賞に応募することになったのだ。応募に際しては、当該物件のデザイン的な魅力をあますところなく伝える書類が必要となる。続いて岩崎はその書類作成に取りかかった。
「社外のアドバイザーの方と一緒に準備を進めていきました。洛北の文化や自然、周辺環境、ターゲットのライフスタイル、社会課題など、さまざまな観点を盛り込んで設計されたシーンズ京都賀茂川のデザイン性の高さを言語化・図式化し、応募書類に表現しました」(岩崎)
その結果、シーンズ京都賀茂川はグッドデザイン賞の受賞を果たした。仲間とともに細部に至るまでこだわり抜いてつくった成果物を、外部機関に評価されたことは岩崎にとって今後につながる大きな糧となった。

「シーンズ京都賀茂川は、私が入社する前から先輩方がいろいろな想いをもって計画してきた物件。それを自分が引き継いだ限りは、最後までしっかり完成させなければならないという使命感はいつも胸にありました。また、建築物として見たときにとても魅力的に感じたことと、自身にとって初めて着工前から担当した物件であることから、ものすごく愛着を感じていました。この使命感と愛着が、私を支えてくれたと思っています」(岩崎)

