この街への敬意、
この地で育まれてきた記憶の継承。
そこから生まれる、
この街にふさわしい新たな表情。
京都の街に馴染むよう
アースカラーを基調としたタイルを採用。
街並みへの調和だけでなく
建物形状を生かした水平ラインの強調や
縦格子を取り入れた
マリオン(飾り柱)により、
建物の存在感を放つようにデザインした。
大きな庇と植栽のゲートで出迎える
エントランスアプローチ空間。
アプローチ廻りには、質感豊かなグレータイルを
ランダムなサイズの組み合わせで配置。
凹凸・質感のあるタイルを選定することで
光の当たり方により陰影を出した。
また、格子を組み合わせた
エンジンドアと庇裏の木目調パネルが
親しみやすさと邸宅感を一層強める。
通行人の目にも付きやすい敷地角の植栽帯には
高さのあるシンボルツリーを植樹。
また、さまざまな樹種である広葉樹と常緑樹を
交互に植樹することで
一年を通し、表情の違う緑地空間を演出した。
リモートワークやご入居者様の交流を想定した
共用のリビング空間。
木目調のインテリアと京町家を想起させる
雪見障子の格子により
モダンで京都の趣を感じらえる設えとした。
格子は目隠し機能になるとともに
南面・東面に大きな開口を設けることで、
外の光や緑を取り込む空間構成とした。
壁面には、法金剛院で見られる四季の草花の色どりを、
春・夏・秋・冬の移り変わりで表現した陶板アートを設置。
カラフルな釉薬の上から茶色の釉薬を重ね、
焼き終えてから、茶色の釉薬を削って、
下の色を見せるという特殊な製法を用いた。
(アート制作:株式会社陶額堂)
「京都の趣」と「近代的なデザイン」の融合をいかに解釈し、街並みに調和させたデザインをおこなうか。担当者として熱意を注ぐ最も重要なポイントでした。京都の街並みに溶け込むとともに京都の景観に存在感を与える建物を目指すため、一つ一つの建築素材や細かなディテールに対しても丁寧に計画を行いました。住まわれる方に建物への愛着とその地ならではの美意識や風情を感じてもらうことを願っています。
開発事業部 開発技術部 開発技術グループ大倉 陽嗣